裁断

オリジナルの型紙使用し、素材(フェルト、革)にその輪郭を写した後、素材の状態を見ながら傷等を入れないように裁断します。革の場合は、部位により伸びる方向が異なるので、靴の部位ごとに適した方向を意識して、最適な場所を裁断します。

名前を刻印

刻印をホルダーにセットし、電熱器で熱して押印します。打刻の位置を決めるガイドなど基準となるものがなく、勘のみが頼りとなるため、慎重に打刻します。

製甲

製甲とは、裁断された各パーツをミシンを使って縫い合わせて、木型に釣り込む前のアッパーを作る作業です。革専用の足踏みミシンを使用して、ひとつずつ丁寧に縫製していきます。

カウンター入れ

靴の踵部に「カウンター」を入れます。カウンターとは踵部の表素材と裏素材の間に入れる芯です。このパーツは、歩く際に軸となる踵をホールドし、安定させます。つま先部分には、表素材と裏素材の間に専用のノリを塗布し、クツを保形します。

吊り込み

木型に沿って微妙な力を加えながらアッパーを引っ張り、2次元から3次元の立体的なものにする工程を吊り込みと言います。「ワニ」と呼ばれる工具を使用し、踵、サイド、つま先の順で吊り込みます。つま先部は、靴となったときにデザインも含め一番目立つ部分なので、職人の腕の良し悪しが問われる作業と言えます。

練りコルク補充

吊り込み後の中底裏に、コルクを敷き詰めます。クツを履き込むことで、このコルクが沈み、中底が履く人の足裏の形を記憶した「フットベッド」となります。コルクは、天然のコルク樫の木から採取された練りコルクを使用。「コテ」を使って適切な厚みを考えながら敷いていきます。

ソール作成

ソールには、軽いだけでなく、耐久性があり滑りにくい「ビルケンシュトック」社のスポンジ素材使用。グラインダー(研磨機)を使用して、ひとつずつ丁寧に削りだします。

ソールの圧着

ソールをノリで圧着するセメント製法を採用。アッパー・ソール両面にノリを塗り、隙間などができない様に、ミリ単位の細やかさで丁寧に手貼りを行います。最後は、圧着機を使用して、ノリの接着力を高めます。